No.20    <頒布室へ戻る> 


 「彫皿・卓を囲む」 5












■ 着想
 彫刻刀の彫り跡が美しいと気が付きました。厚い桂の板材からオーガニックなの形を切り出した。それを生かして底面部分を決めてからいろいろな刀を使いわけて彫り下げることでしゃれた銘々皿ができないか?

■ 胎
 勝負所はどれだけ優雅な形を探し出せるかというところです。この形を糸鋸で切り出し、裏はごく細かいサンドペーパーを搭載したディスクグラインダーで大まかな形状を決定します。防塵眼鏡とマスク、さらに轟音を轟かせての作業になります。意外と気分爽快な作業で楽しいものです。さらに麻布を着せて黒蝋色塗りに進みます。表は皿の傾斜部分と、平らな皿底部の形状を時間をかけて集中して彫り進めます。彫り跡が均一につくように神経を集中します。平らな部分はつるつるになるまで磨き上げ、線彫りの部分は刀の切れ味がそのまま作品の質に響きますから、丸刀の種類を選び、よく研いだ彫刻刀を使うのです。胎の完成です。

■ 技法
 蝋色漆を5回ほど塗って、研ぎを繰り返してから本朱漆を作り、仕上げ塗り、蝋色漆まで研ぎ進み、、磨き上げます。こうすることで根来塗りの使いこんだような仕上げとなります。

■ サイズ
 20×6×9p

■ 販売価格
 同型5枚セット 45万円
 単品販売 9万円